生地の寸法変化率
「目的」:
生地は織り工程、編み工程で掛かるテンションが残留し、漂白や染色中にはテンション以外に水分による膨潤や熱水、蒸気による熱を受けます。また、縫製工程中にプレス等の蒸気(熱)を受け、又、製品になってからは洗濯、商業クリーニング(ドライやウエット)、アイロン等の処理を受けることによって、寸法が変化します。このため、事前に試験してモノ作りの参考とするのと同時に、製品での寸法変化を予測するために試験を行います。
「方法」:
【JIS L 1096織物及び編物の生地試験方法】
試験項目 | 試験種類 | 試験片の大きさ | 測長区間の長さ | |
浸せき処理方法 | A法(常温水浸せき法) | 約25cm×25cm | 20cm×20cm | |
B法(沸騰水浸せき法) | ||||
C法(浸透浸せき法) | ||||
D法(石けん液浸せき法) | ||||
洗濯処理方法 | E法(洗濯試験機法) | 约25cm×25cm | 约20cm×20cm | |
G法(家庭用電気洗濯機法) | 織物:約40cm×40cm 編物:約30cm×30cm | 约20cm×20cm | ||
プレス法 | H法 | H-1法(乾熱加圧法) | 25cm×25cm | 20cm×20cm |
H-2法(蒸熱オープン法) | ||||
H-3法(蒸熱加圧法) | ||||
H-4法(蒸熱ロック法) | ||||
ドライクリーニング | J法 | J-1法(パークロロエチレン法) | 25cm×25cm | 20cm×20cm |
J-2法(石油系法) |
※編物生地G法、J法は生地を2枚重ね、二つ折り
製品の家庭洗濯試験方法
「目的」:
家庭洗濯と同様の方法で実施し、水分と洗濯機の機械力による寸法変化特性を評価するために行う試験です。実用に近い為、一般的に最も多く用いられている試験方法で、水洗い可能な素材に適用します。
「方法」:
【JIS L 1930繊維製品の家庭洗濯試験方法】
処理前の外観と縫製を確認後に測定区間をマーキングして、規定の試験条件によって洗濯処理をします。処理後に測定区間の長さを測定し、寸法変化率を計算します。また処理後の外観変化も評価します。
洗濯方法 | C4N法 | C4M法 | C4G法 | C3N法 | C3M法 | C3G法 | C4H法 |
乾燥方法 | A法-吊干し乾燥 B法-ぬれ吊干し乾燥 C法-平干し乾燥 D法-ぬれ平干し乾燥 E法-平プレス乾燥 F法-タンブル乾燥 |
製品の商業クリーニング
「目的」:
家庭洗濯(水洗い)が出来ない衣料品は、クリーニング業者でドライクリーニングによって洗濯されます。その際にクリーニング液として使用されるパークロロエチレン又は石油系溶剤に対する寸法変化特性や外観変化を評価するために行う試験です。
「方法」:
【JIS L 1931-2 繊維製品の商業クリーニング-第2部∶パークロロエチレンによるドライクリーニング試験方法
JIS L 1931-3 繊維製品の商業クリーニング-第3部∶石油系溶剤によるドライクリーニング試験方法】
処理前の外観と縫製を確認後に測定区間をマーキングして、規定の試験条件によって商業クリーニング洗濯処理をします。処理後に測定区間の長さを測定し、寸法変化率を計算します。また処理後の外観変化も評価します。